銅線盗難が多発する理由とは?最新の被害状況と太陽光発電所の防犯対策
この記事のポイント
太陽光発電所で銅線が狙われる理由と被害のリスクは何ですか?
銅をスクラップとして売る目的の窃盗があり、人目の少ない立地や管理上の弱点にも注意が必要です。被害はケーブルの再調達だけでなく、復旧や発電停止中の売電収入にも影響します。

>>「太陽光発電所の銅線が狙われる理由」の詳細はこちら

銅線盗難を防ぐための効果的な防犯対策は何ですか?
ケーブルの埋設・固定などの物理対策に、侵入検知と通知後の対応を組み合わせます。まず既存設備の破損や死角を点検し、設備条件と予算に応じて追加対策を選びましょう。

>>「銅線盗難を防ぐための対策」の詳細はこちら

盗難被害に遭った場合の初動対応と復旧時の注意点は何ですか?
まず現場へ不用意に近づかず安全を確保し、警察へ通報します。証拠を保全して保守・保険会社へ連絡し、復旧時には侵入経路を踏まえて再発防止策を検討してください。

>>「銅線盗難が発生した場合の対応」の詳細はこちら

太陽光発電所を狙った銅線ケーブルの盗難は、発電事業者にとって深刻なリスクです。警察庁によると、2025年の太陽光発電施設における金属ケーブル窃盗は3,856件で、前年の7,054件から減少しました。

本記事では、銅線盗難の被害状況と対策の選び方を解説します。発電所の弱点を点検し、必要な対策と異常発生時の連絡体制を見直すためにお役立てください。

出典:警察庁 令和7年における組織犯罪の情勢 本文p.8

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設置条件によっては、対応できない場合があるため、要チェック!


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太陽光発電所におけるケーブル盗難の実態

銅線盗難は、設備に使われる銅製ケーブルなどが持ち去られる被害です。

太陽光発電所ではケーブルの盗難により発電が停止する場合もあります。まず、被害件数の推移を確認します。

2025年は前年比45.3%減の3,856件

警察庁によると、太陽光発電施設における金属ケーブル窃盗の認知件数は、2023年の5,361件から2024年には7,054件まで増加しました。

その後、2025年は3,856件となり、前年から3,198件、割合にして45.3%減少しています。 金属盗全体についても、2025年は1万5,712件となり、前年の2万701件から24.1%減少しました。

年 太陽光発電施設の金属ケーブル窃盗認知件数
2023年 5,361件
2024年 7,054件
2025年 3,856件

2025年は前年から大きく減少しましたが、太陽光発電施設だけで年間3,000件を超える被害が確認されています。警察庁は、引き続き金属盗の抑止と検挙を進める方針を示しています。

出典:警察庁 金属盗対策に関する検討会報告書 本文p.3(2023年) / 令和7年における組織犯罪の情勢 本文p.8(2024・2025年) / 令和7年の犯罪情勢 本文p.12(金属盗全体)

盗難被害は復旧費用や売電損失につながる

銅線盗難により設備の損傷と復旧工事が生じ、発電停止が売電収入の損失につながる図

損失を見積もる際は、持ち去られたケーブルの価格だけでなく、周辺設備の損傷や復旧までの発電停止も確認しましょう。

保守・施工会社と、次の負担が生じるかを確認してください。

  • 新しいケーブルの購入費用
  • ケーブルの撤去費用や再施工費用
  • パワーコンディショナーや集電設備などの修理費用
  • 発電停止期間中の売電収入の減少
  • 現地確認や警察への対応にかかる負担
  • 再発防止のために防犯設備を追加する費用

警察庁の検討会報告書も、太陽光発電施設のケーブル盗難では発電停止などの影響が被害品の金額に収まらない場合があると指摘しています。復旧期間と売電収入への影響を併せて確認しましょう。

出典:警察庁 検討会報告書 本文p.4

太陽光発電所の銅線が狙われる理由

銅の換金性、人目の少ない立地、防犯や管理の弱点が重なると狙われやすくなることを示す図

太陽光発電所の銅線が狙われる背景には、銅そのものの価値に加えて、発電所特有の立地や設備環境があります。

特に、窃盗犯にとって利益を得やすく、発見されにくい条件が重なる発電所には注意が必要です。

銅がスクラップとして売却される

銅がスクラップとして売却されることが、盗難の背景にあります。

警察庁の2025年1月の検討会報告書は、当時の銅スクラップ価格が他の金属より高額で推移し、盗まれた金属くずが買受業者へ持ち込まれる実態を示しています。

出典:警察庁 検討会報告書 本文p.5~6

無人で人目につきにくい場所は発見が遅れる

茨城県警は、人や交通量の少ない場所にある太陽光発電所が狙われやすいとして注意を呼び掛けています。

無人の時間帯がある発電所では、異常に誰が気づき、対応するかをあらかじめ決めておきましょう。

JPEAは、露出した配線の保護と、地下埋設配管からの抜き出し防止を案内しています。ケーブルの露出部分やハンドホールの施錠状態を点検してください。

出典:茨城県警 金属盗難に注意 / JPEA ケーブル盗難対策パンフレット 2024年2月

フェンスや監視の弱点が侵入を許す

JPEAは、乗り越えや切り破りを防ぐフェンスの設置を勧めています。フェンスがあるだけで安心せず、強度と周辺の状態を確認しましょう。

門扉の施錠や破損箇所を点検し、雑草で見通しが悪くなっていれば除草します。茨城県警も、フェンス等の整備と死角をなくす管理を呼び掛けています。

防犯カメラは、出入口だけでなくケーブル周辺も撮影できるかを点検しましょう。録画や異常通知を確認する担当者も決めておきます。

継続管理の確認項目は、後述の巡回チェックリストにまとめています。

出典:茨城県警 金属盗難に注意 / JPEA ケーブル盗難対策パンフレット

銅線盗難を防ぐための対策

物理対策、侵入検知、管理体制を組み合わせて発電所を守る図

発電所への侵入とケーブルの持ち去りへの対策に、侵入された場合の検知・対応を組み合わせましょう。

ここでは、対策を物理対策、検知、管理体制の3つに分けて紹介します。

物理対策でケーブルを盗みにくくする

まず検討したいのが、窃盗犯に時間をかけさせる物理的な対策です。

代表的な方法として、次のようなものがあります。

  • 銅線からアルミケーブルへ切り替える
  • ケーブルを地中へ埋設する
  • ケーブルを金属製の配管や保護カバーで覆う
  • ハンドホールを施錠する
  • ケーブルをモルタルやコンクリートなどで固定する
  • フェンスやゲートを補強する

JPEAは、銅を狙う盗難への対策例としてアルミケーブルの活用を紹介しています。交換を検討する際は、既存設備への適合性と施工方法を専門業者に確認してください。

地下埋設配管からケーブルを抜き出された例もあるため、埋設だけでなく固定やハンドホールの施錠も検討しましょう。未使用・交換用の銅線は屋外に放置せず、鍵の掛かる倉庫等で保管してください。

出典:JPEA ケーブル盗難対策パンフレット / 千葉県警 金属類の盗難対策

防犯カメラやセンサーなどで侵入を検知する

物理対策を突破された場合に備えて、侵入を早期に把握できる設備も必要です。

JPEAは、夜間を含めて記録できる監視カメラや侵入アラートシステムを対策例に挙げています。出入口とケーブル周辺の両方を確認できるよう、撮影範囲を検討しましょう。

AIカメラやセンサーを選ぶ際は、検知できる対象と通知方法を仕様書で確認してください。設置場所の通信状況を調べ、夜間の検知範囲や誤検知の調整方法も業者へ確認します。

通知を受ける担当者と、警察・警備会社への連絡手順を決めておくことも必要です。設備の導入と併せて、通知後に対応できる体制を整えましょう。

出典:JPEA ケーブル盗難対策パンフレット

巡回、警備、警告表示などで管理体制を強化する

発電所が継続的に管理されていることを外部から分かるようにすることも大切です。

警告表示は、実際に導入している設備や契約内容に合わせて掲示しましょう。

出典:千葉県警 金属類の盗難対策

また、定期的に巡回し、次のような箇所を確認しましょう。

  • フェンスや門扉が破損していないか
  • 鍵が正常に機能しているか
  • 防犯カメラの向きが変わっていないか
  • センサーや警報器が正常に作動するか
  • 雑草によって死角が生まれていないか
  • 不審な車両や人物の形跡がないか

常時監視が難しい発電所では、機械警備も選択肢です。JPEAは、異常検知時に駆け付け可能な警備会社等との契約を対策例に挙げています。対応範囲は契約前に確認してください。

出典:JPEA ケーブル盗難対策パンフレット

各対策について、導入前に確認したい条件を整理します。

対策 検討する場面 業者へ確認する条件
アルミケーブル ケーブル交換を計画するとき 設備への適合性と交換範囲
ケーブルの埋設・固定 露出部や抜き出される箇所があるとき 施工範囲と保守点検への影響
フェンス・ゲートの補強 破損や侵入しやすい箇所があるとき 強度と施錠方法
防犯カメラ 死角や記録の不足があるとき 夜間の撮影範囲と録画保存
センサーライト・警報器 侵入時に周囲へ異常を知らせたいとき 作動範囲と誤検知の調整
AIカメラ・侵入センサー 無人時の異常を把握したいとき 検知対象と通知・通信条件
機械警備 通知後の現地対応を委託したいとき 駆け付け条件と対応エリア

警察とJPEAの対策例を基に、導入判断のための確認項目として整理しました。効果や費用を一律に保証する表ではありません。

参考:千葉県警 金属類の盗難対策 / JPEA ケーブル盗難対策パンフレット

設備条件と予算に応じて優先順位を決める

予算が限られる場合も、まず既存設備の弱点を点検し、次の順で検討範囲を絞りましょう。

  1. フェンスの破損や施錠不良、雑草による死角を確認し、補修・除草を手配する。
  2. ケーブルが露出している場所やハンドホールを確認し、保護・固定・施錠を業者へ相談する。
  3. 無人時の監視と通知後の担当者を決め、不足するカメラ・センサーや警備契約を検討する。

見積もりは初期費用と継続費用を分け、同じ対象範囲・契約期間で比較します。依頼時は次の情報をそろえてください。

  • 配置図と既存設備の仕様・写真
  • 対策するケーブルの範囲と工事時の停止可能時間
  • 通信状況と現地対応できる担当者
  • 予算、希望時期、保守・通信・警備費用に含めたい範囲

盗難への備えとして、加入中または検討中の保険も、約款と保険会社への照会で次を確認しましょう。

  • 盗難された設備が補償対象になるか
  • 免責金額と支払限度額
  • 発電停止中の売電収入を補う休業損害の補償があるか
  • 保険適用に必要な防犯対策や通知の条件

JPEAは、動産保険と休業損害保険等の検討を案内し、防犯対策が不十分な場合には保険が適用されないこともあると注意しています。

出典:JPEA ケーブル盗難対策パンフレット / 茨城県警 金属盗難に注意

2026年6月全面施行の金属盗対策法とは

銅線をはじめとする金属盗への対策を強化するため、2025年6月に盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律、いわゆる金属盗対策法が成立・公布されました。

この法律は段階的に施行されており、2025年9月1日からは、正当な理由なく一定のケーブルカッターやボルトクリッパーを隠して携帯することが禁止されています。

さらに、2026年6月1日からは特定金属くず買受業に関する規制が施行され、法律が全面施行されました。 主として銅で構成される特定金属くずを買い受ける事業者には届出が求められ、取引相手の本人確認や取引記録の作成・保存なども必要となっています。

主な変更点をまとめると次のとおりです。

施行時期 主な内容
2025年9月1日 正当な理由のない一定のケーブルカッター・ボルトクリッパーの隠匿携帯を禁止
2026年6月1日 特定金属くず買受業者の届出制度を開始
2026年6月1日 買受時の本人確認や取引記録の作成・保存などを義務化

この法律は、盗品の流通を防ぐため、金属くずの買受けに関する規制等を全国的に整備するものです。

ただし、金属盗対策法は発電所への侵入やケーブルの切断を物理的に防ぐ法律ではありません。 法律による盗品流通への対策と、発電所側の防犯対策は分けて考える必要があります。

参考:警察庁 金属盗対策

銅線盗難が発生した場合の対応

被害発見後は安全確保、警察への通報、証拠保存、保守・保険会社への連絡、再発防止の順に対応する図

銅線盗難を発見した場合は、復旧を急ぐよりも先に安全を確保してください。

破損した太陽光発電設備やケーブルには感電のおそれがあります。自分で触れたり修理したりせず、設備の安全確認は保守・施工会社へ依頼しましょう。

出典:経済産業省 破損した発電設備を見かけた場合の対応

安全を確保して警察へ通報する

被害を発見したら、まず発電所へ不用意に立ち入らず、周囲の安全を確認します。犯人や不審車両が現場にいる場合は自分で近づかず、安全な場所から110番通報してください。

警察が到着するまでは現場を保全し、次のものに手を触れないようにします。

  • 切断されたケーブル
  • 工具の跡
  • 足跡などの痕跡

安全に確認できる範囲で、次の情報を整理しておくとよいでしょう。

  • 被害を発見した日時
  • 最後に異常がなかったことを確認した日時
  • 切断されたケーブルの場所や範囲
  • フェンスや門扉の破損箇所
  • 防犯カメラに記録された人物や車両
  • センサーなどが異常を検知した時刻
  • 発電量が低下または停止した時刻

必要な時間帯の防犯カメラ映像を早めに保存し、録画機器の保存期間と上書き設定を確認してください。

保険・保守会社へ連絡し再発防止策を講じる

警察への通報後は、保守管理会社や施工会社へ連絡し、安全確認と被害状況の調査を依頼します。

保険へ加入している場合は、保険会社や代理店にも連絡し、請求に必要な資料を確認してください。

  • 被害届の受理番号の要否
  • 現場写真の撮影・提出方法
  • 修理見積書などの必要書類

復旧工事では、以前と同じ状態へ戻すだけでなく、侵入経路や盗まれた場所を確認したうえで再発防止策も検討しましょう。

銅線盗難は複数の対策を組み合わせて防ぐ

太陽光発電所の銅線盗難では、設備の復旧費用に加え、発電停止中の売電収入への影響にも備える必要があります。

2025年の太陽光発電施設における金属ケーブル窃盗は3,856件で、前年比45.3%減でした。被害の減少を踏まえつつ、発電所の条件に合った対策を続けましょう。

出典:警察庁 令和7年における組織犯罪の情勢 本文p.8

まずは現在の発電所の破損や死角を点検し、必要な対策を見直してください。物理対策と監視設備を整えたら、通知後の対応と保険の補償条件も確認しましょう。

当サイトでは、太陽光発電所の盗難対策やおすすめのセキュリティサービスを比較・紹介しています。規模や立地、予算に合わせた対策選びにぜひお役立てください。

記事監修者
太陽光発電所銅線ケーブル対策方法比較ガイド編集部

防犯・セキュリティ対策の専門家

太陽光発電所銅線ケーブル対策方法比較ガイド編集部

当サイトでは、全国の太陽光発電所で多発する銅線ケーブル盗難を防ぐため、各社が提供する防犯カメラや侵入検知システムなどのセキュリティサービスを独自に調査・比較しています。広大な敷地を監視するためのノウハウと最新の被害動向をもとに、売電損失を防ぐための確実な対策方法と、費用対効果の高いサービスの選び方をわかりやすく解説します。

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